祖父母の想い
2020年09月09日
エッグを開いて約20年になるが
それと同じ年月だけ筋トレをしている。
月・水・金はジムに通い
残りの曜日はランニングをしている。
フルマラソンにも参加し
とても見苦しい姿で42.195キロをなんとか完走している。
先日も外を走っていた。
雨上がりの朝
吐く息も荒くなるなか
約5キロのランニングの道中
ふと道端のお地蔵さんに目がとまった。
僕は小さいころから
そういうのを素通りできないところがある。
まるでそこに誰かたっているかのように
会釈をすることもあるし
きちんと立ち止まって手をあわすこともある。
その日は後者だった。
一礼をして
お地蔵さんの前にしゃがみこみ
ゆっくりと手を合わせて目を閉じた。
想いを心のなかでつぶやき
やがて目をあけた。
お地蔵さんには白い前かけがつけられている。
誰かがつくったのだろう。
さて、と立ち上がりかけたそのとき
白い前かけに書かれた名前に目がとまった。
知っている姓である。
エッグの生徒と同じ姓だ。
別に珍しい姓というわけではないが
何となく気になったので
中腰となってその名前をのぞきこんだ。
兄・妹の名前
それはまぎれもなくエッグの生徒だった。
「あっ」と思った。
だけど家がこの辺だということもない。
後日聞いてみたところ
おじいちゃんとおばあちゃんがその近くに住んでおり
ふたりがそれをつけたのだという。
受験もある。
本人も苦しいが
家族もまた同じように受験をむかえている。
おじいちゃん、おばあちゃんだってそうだ
大好きな孫の健康、そして合格
喜ぶ顔をそうやって
日々お地蔵さんに話しかけながら祈っている。
みんなの祈るような思いが受験にはある。
とにかく体調を崩さず
力が発揮できることを遠く離れた人も願っている。
私たち塾のスタッフも
それが達成できるため全力を尽くす。
辛い日もあるだろうが
あと少し、
あと少し辛抱して、
みんなで喜びをわかちあおう。
あの日はなぜ急に目がそこに向いたのだろう。
きっとお地蔵さんが教えてくれたのかもしれない。
僕も同じ想いを
心の中でつぶやいていたのだから。